本人も頭の中がグルグルしてワケが分からなくなっているのだろう。安倍首相主催の「桜を見る会」で連日、野党議員から厳しい追及を受けている菅官房長官。26日の会見では、招待客の中に反社会的勢力が出席していたことについて、「結果として入っていたのだろう」と事実関係を認めた。

 すべての疑惑は安倍首相に通じる。本人が予算委などで答弁すれば一発で分かるのだが、逃げ回っているのだからどうしようもない。安倍首相の代わりに袋叩きにされている最近の菅氏は、かつて「官邸の守護神」などといわれた面影はすっかり消えうせ、うんざりした表情を浮かべる場面が増えた。

 とりわけ、記者たちの間で「どうしちゃったの? 令和おじさん」とささやかれているのが「推薦枠」をめぐる答弁の変遷だ。

 菅氏は18日の会見で、自身が「桜を見る会」に推薦した人数を問われた際、「数十人だと思う」と言っていたのに、2日後の20日には、同じ質問に対して「数百人はいたんじゃないか」と発言。そして「最終的には内閣官房、内閣府で取りまとめをして決める」と言い切っていたにもかかわらず、25日の参院行政監視委では「最終的」な意思決定について「私が責任者だ」などと言いだす始末。発言内容が二転三転しているどころじゃない。七転も八転もしているのだ。官房長官がこんな意味不明なグダグダ答弁を続けているようでは、議論が深まらないのは当たり前だろう。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。

「安倍政権は、危機管理能力バツグンの菅長官が支えているなどと言われてきましたが、答弁を聞く限り、明らかに投げやり。もはや守護神の役割を放り投げて、ポスト安倍に向けて動きだしたのではないでしょうか」

「機を見るに敏」が政治家の本能。菅氏も、安倍首相に見切りをつけ始めたのか。

公開:19/11/27 14:50
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/265356