総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、菅官房長官は、ことしの招待者名簿が野党議員が国会への提出を求めたのと同じ日に廃棄されたことについて、廃棄のための設備の利用状況などから当初の予定がずれ込んだことが理由で、適切に行われたという認識を示しました。

ことし4月の「桜を見る会」の招待者名簿をめぐり、内閣府は20日の衆議院内閣委員会で、当初は5月の大型連休前に廃棄する予定だったものの省内にあるシュレッダーの利用が混み合っていたことなどから、廃棄が連休明けの9日にずれ込んだと説明しました。

これについて、菅官房長官は午前の記者会見で「シュレッダーの利用状況や職員の勤務時間などの調整を行い、9日になった」と説明しました。

そのうえで、共産党の議員が同じ日に招待者名簿などを国会に提出するよう求めていたことを踏まえ、記者団が「安倍総理大臣に問題が及ばないよう廃棄したのではないか」と質問したのに対し、菅官房長官は「資料請求は承知していなかったと聞いている」と述べ、廃棄は適切に行われたという認識を示しました。

また、菅官房長官は、内閣官房と内閣府が各省庁などに招待者の推薦を依頼する際、前年の招待者は推薦しないよう配慮を求めていたことを明らかにしたうえで、自身が事務所を通じて推薦した人の中に前年の招待者が含まれていたことについて、「適切なことではなかった」と述べました。

さらに、菅官房長官は「桜を見る会」の前日夜に開かれた懇親会の会費について、「ホテル側が、人数や宿泊者である事情などを考慮して柔軟に対応するのは普通のことだ」と述べました。

一方、記者団が、この問題をめぐる野党側の発信の一部に事実誤認があるのではないかと指摘したのに対し、「正しい情報に基づいて議論するのが基本ではないか」と述べました。

NHKニュース
2019年11月21日 13時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191121/amp/k10012185401000.html