国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の補助金全額不交付問題をめぐり、芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事は23日、文化庁に、補助金適正化法に基づき不服を申し出ることを明らかにした。国は愛知県の手続きの不備を不交付理由とするが、大村氏は「審査対象でなかった事項を後付けで問題とした。違法だ」と述べた。

 大村氏は臨時の記者会見を開き、24日に文化庁に不服申し出書を提出すると表明。不服理由として「文化庁が理由とした点は審査対象でない」「同様の理由による不交付決定は存在せず平等原則に反する」「文化庁の裁量権を逸脱・乱用している」など7点を挙げた。これまでに大村氏は国を提訴する考えを示しているが、この日は、同法に基づく不服の申し出の期限が26日に迫っていることを挙げ、「手段があるのに採らなかった、認めたのかと言われてもいけない。様々な可能性を視野に準備は進めている」と述べた。一方で、一連の経緯などを文部科学省のトップレベルに説明したい考えも示し、協議の申し出を行うことも明らかにした。

朝日新聞
2019年10月23日20時20分
https://www.asahi.com/articles/ASMBR5RGVMBROIPE030.html