https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191011-00067453-gendaibiz-pol&;p=1
 公文書改ざんをはじめ官僚の不祥事は相次ぎ、閣僚の失言なども日常風景となった。安倍政権の末期症状が唱えられて久しいが、党内からは自民党総裁四選論を唱える声が出始めている。一体、日本はどうなってしまったのか。このたび『ヒトラーの正体』を上梓した国際政治学者・舛添要一氏と、舌鋒鋭い政権批判で知られる作家・適菜収氏が特別対談で語り尽くした――。

「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした〜それどころか…
タチの悪い売国

 適菜 平成の30年間にわたり「改革」の嵐が吹き荒れました。安倍晋三の支持者やネトウヨは、「安倍さんは民主党から日本を取り戻してくれた」と言うけど、バックにいるのは同じような連中。安倍がやっているのは民主党よりタチの悪い売国です。
 
では、その民主党と今の安倍政権の一番の違いはどこにあったのか。民主党時代はまだメディアが機能していました。加えて、確かな野党がいた。民主党時代の最大野党は、自民党ですからね。

 舛添 今は、メディアも政権に掌握されてしまっているし、旧民主党系の野党も機能していませんね。

 適菜 このままいくと危ないというか、もう終わっています。政治崩壊の原因を遡って考えると、1994年の政治制度改革に行き着くんじゃないかなと思っています。小選挙区比例代表並立制の導入と、政治資金規正法の改正により、選挙のスタイル、党の運営まであらゆる変化が発生しました。

 小選挙区制度は、二大政党制に近づきます。死票は増え、小さな政党には不利に働く。そこでは基本的に上位二政党の戦いになります。政治家個人の資質より党のイメージ戦略が重要になるので、ポピュリズムが政界を汚染するようになります。

 舛添 政治資金規正法によって、党中央にお金が集まるようになってしまいました。政治家が自由に行動したり、発言したりしづらくなりました。

 党中央が力を握れば、簡単に党議拘束をかけられますからね。党の命令に従えないなら、どうぞ出てってください、となります。

(略)