かつて自民党で将来の首相候補と目され、汚職事件での逮捕、失職を経てメディアの取材に沈黙を貫いてきた中村喜四郎衆院議員(70)=当選14回=が朝日新聞のインタビューに応じた。無所属の立場で安倍政権に対抗できる「強い野党」づくりに心血を注ぐ理由を語った。自他ともに認める保守政治家を突き動かしたのは、今の自民党に対する「絶望」だった。

■自民党は、おそろしく権威主義的になってしまった

 ――ゼネコン汚職事件で1994年に逮捕され、最高裁まで争いましたが、2003年に実刑が確定し、失職しました。この間、貫いてきた沈黙を破って、インタビューを受けた理由は何ですか。

 「刑事事件がありましたからね。事件のことをああでもない、こうでもないと語っても意味がない。だから20年近く何もしゃべりませんでした。だけど、日本はもう限界だなと思った。このままでは国が壊れてしまうと考え、野党に協力することにしました。有権者は、私を自民系の政治家だと見ています。野党にかじを切った理由を伝えなくてはならないと思いました。自民党は変わってしまった」

今の自民党に対する思いや野党が強くなるための戦略――。中村喜四郎氏の「逆襲の独白」を2回に分けて配信します。記事後半にはインタビュー動画があります。

――大学卒業後、田中角栄元首相の秘書になり、27歳で衆院議員に初当選しました。旧竹下派で将来の首相候補として嘱望され、40歳で初入閣し、その後建設相にも抜擢(ばってき)されました。自民党政治を体現してきた中村さんがいう党の変化とは何でしょう。

 「自民党は、おそろしく権威主…

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朝日新聞
2019年10月3日19時20分
https://www.asahi.com/articles/ASMB13GK2MB1UTFK006.html