政治的対立が深まる日韓関係。韓国では「ドラえもん」の最新作の公開延期や、一部の映画祭で日本映画の招待が中止になるなど映画の分野でも影響が出ている。だが一方で「今こそ交流を続けよう」という機運が、両国の映画人の間で高まっている。映画館同士の草の根レベルから、来月開かれる釜山国際映画祭など国際舞台まで、根底にあるのは「いい映画を上映したい」という思いだ。

■ミニシアター同士で企画や会議

 今月7、8日、横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」で、韓国・仁川にある「ミリム劇場」との共同企画があった。日本初公開の韓国ドキュメンタリーなどの上映や監督のトーク、ミリム劇場スタッフと日本の観客との交流会なども開かれた。参加した常連客の原田英二さん(58)は「今の両国の政府は、相手を否定することばかり。だけど映画はお互いの国を理解する良い道具になる」と話した。

朝日新聞
2019年9月29日07時12分
https://www.asahi.com/articles/ASM967HHRM96UTIL05T.html