関西電力の岩根茂樹社長を含む役員ら20人が、関電高浜原発がある福井県高浜町の元助役(故人)から約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題で、関電はほかに同じようなケースがなかったか、再調査を始める。岩根社長は27日の記者会見で「今後の検討」としていたが、同日夜に経済産業省から指示を受け、やらざるを得なくなった。

 再調査の指示は電気事業法に基づくもので、内容しだいでは再発防止策を求める業務改善命令などの行政処分が出る。経産省は、今回の金品の受け取りの事実関係や原因に加え、ほかの原発などでも類似の事案がなかったかどうかについて調べて書面で提出するよう求めた。報告の提出期限は決められていないが、「速やかに提出してほしい」(経産省)とする。

 岩根社長は記者会見で、同じような金品の受け取りがほかにもなかったかと問われ、「詳しい調査をするかどうかは今後の検討」と態度を保留していた。関電は経産省の指示について「真摯(しんし)かつ的確に対応していきます」(広報)としている。(生田大介)

朝日新聞
2019年9月28日19時04分
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