不法占拠、怒らないイタリア 勝手に食堂、劇場、工房…

 イタリアで移民問題を取材していて、不思議に思っていたことがあった。
滞在許可を持たない「不法移民」とされる人が国内に約50万人いるとされるが、公園や路上などで暮らすホームレスの人の姿は、日本に比べ少ないように思えるのだ。
では彼らはどこで寝泊まりしているのか。捜してみるとそこは、廃虚になった建物だった。

 もちろんイタリアでも、所有者に無断で土地や建物に立ち入ることは違法だ。
だが行き場のない人が集まって建物を「占拠」し、支援する人々がそこを拠点に社会運動を展開する、というのをイタリアではしばしば見かける。
日本でもし同じことをすれば、「犯罪行為では?」と世間の目が厳しそうだ。
だが、イタリアでは比較的すんなり受け入れられ、街の中に溶け込んでさえいる。
なぜそんなことが可能なのか。素朴な疑問をぶつけるために、ローマの中心部にある廃虚に向かった。

 ローマの中心駅「テルミニ」から南東に20分ほど歩くと、街路の一角を占める7階建ての大きなビルが現れる。
もともとは社会保障を担当する公社が入っていたが、10年ほど前から使われず、廃虚になっていたという。
今そこが、イタリアで家賃が払えず家を追われた人や、同国にやってきた移民たちの生活の拠点になっている。

 ビルは、地域の住民にも「スピ…

https://www.asahi.com/articles/ASM8W7KKBM8WUHBI03C.html

参考
朝日新聞「イタリアでは不法移民が建物を不法占拠してもすんなり受け入れられている」
http://hayabusa9.2ch.net/test/read.cgi/news/1567506595/l50