国民民主党の玉木代表が30日、秋の臨時国会で「消費税減税法案」の提出を検討する考えを示した。現在8%の消費税の税率は、10月に10%に引き上げられる。臨時国会は増税後の10月4日召集の見通しなので、上がってしまった税率を8%に戻す法案を提出したいということだ。


「消費税減税」といえば“元祖”はれいわ新選組の山本太郎代表だ。

「消費税ゼロ」を公約に参院選で躍進した後、他の野党との共闘について「消費税5%で手をつなげるのであれば全力でやりたい」と、まずは減税が条件だと言っていた。玉木発言は山本氏を意識したものなのか。実はここへきて「消費税減税」でれいわを含めた野党共闘に現実味が出てきている。つい最近、立憲民主党議員らが、昨年6月に消費税(物品サービス税)を廃止したマレーシアを視察したのだが、その一行に山本氏も参加したのだ。

 今月26〜28日にマレーシアを訪問したのは立憲の中谷一馬衆院議員ら8人。中谷氏はツイッターに〈マハティール首相が6%の消費税を廃止。経済成長等による税収増を目指している。私達も野党間の相互理解を深め、税制のあり方を見つめ直し、国民生活を豊かにする経済政策を立案したい〉と投稿し、写真もアップ。そこに山本氏の姿があった。


 中谷事務所によれば、視察は、消費税廃止後のマレーシアでの変動を調査・研究するために企画。消費税問題に知見・関心のある野党関係者に声を掛けたところ、山本氏から参加すると連絡があり、視察団に加わったのだという。現地では、マレーシア政府の財務副大臣や首相経済顧問らと面会した。

「今回の視察は党の派遣ではありませんが、中谷さんは枝野代表のお気に入り。彼のことを『高く評価している』と周囲に語っています。山本さんと一緒に視察に行くことを、枝野さんも“了承”しているでしょう」(立憲関係者)

 27日の立憲の両院議員総会では、「共産、れいわとの協力は避けられない。早めに研究すべき」との意見も出たという。「消費税減税」でいよいよ野党共闘が加速する可能性が出てきたか。


「山本氏がれいわを立ち上げたのは、野党再編が進まないから。つまり、れいわが触媒となって、野党が1つになる流れをつくりたいと思っている。『消費税ゼロ』と言っていたのを『5%』としたのは野党への歩み寄りであり、玉木氏が『8%に戻す』と言うのも、れいわへの歩み寄りでしょう。れいわを軸に野党が結集する動きとみていいのではないか」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 面白くなってきた。

日刊ゲンダイ
19/09/01 06:00
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