安倍晋三首相が7月、札幌市で参院選の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした聴衆が北海道警に排除された問題で、当事者やその支援者ら約150人(主催者発表)が10日、市内中心部で「道警は説明と謝罪を」と、抗議デモを実施した。

 排除は7月15日、安倍首相がJR札幌駅前で演説した際、「安倍辞めろ」と連呼したり、「増税反対」などと叫んだりした聴衆が、警察官に囲まれて引き離された。

 デモ前の集会で、ヤジを飛ばして排除された札幌市北区のソーシャルワーカー、大杉雅栄さん(31)が「法的根拠なく、身体拘束して排除するのはおかしい」と訴えた。また札幌弁護士会の神保大地弁護士も「要件を満たさない身体拘束は違法だ」と話した。

 一行は午後5時に同市中央区の大通公園を出発し、「ヤジくらい言わせろ」などと書かれたプラカードや垂れ幕を掲げ行進。デモの後、謝罪と説明を求める申し入れ書を道警本部に提出した。道警の山岸直人本部長は今月6日の道議会で、今回の問題について「トラブル防止のための措置だった」と答弁している。【源馬のぞみ】

毎日新聞
2019年8月10日 20時22分
https://mainichi.jp/articles/20190810/k00/00m/010/344000c