★「私は生まれ変わった」という優柔不断の国民民主党代表・玉木雄一郎が野党政局の話題だが、自民党は憲法改正のため玉木が党内で代表から引きずり降ろされる前に日本維新の会との参院院内会派、最終的には維新との合流を主導、拡大した維新との連立や閣内協力を画策する。既に公明党は維新に逆らわないことが分かっているだけに、この動きは与党の確信犯的対応だろう。早速、維新の参院議員団会長・片山虎之助が国民に対して統一会派の打診をしたと言う。衆院は立憲との共闘を模索しており、国民が草刈り場の様相に変わりはない。

★玉木のかじの切り方は玉木自身の考えというより、自民党の作戦通りに少し進めて訂正や否定を繰り返しながら秋の国会までにいつの間にか憲法改正を議論する維新との合併に持っていかれれば十分で、玉木の役割は終了する。玉木は初当選した09年、民主党が与党になっていながら自民党入りを画策。自民党県連幹部との慎重な調整を重ねていたが、それきり自民党との会議に来なくなったという過去の経緯がある。また、昨年自民党幹事長・二階俊博が玉木の代表就任祝いだ、誕生会だと理屈をつけて国会開会中に会合を持とうとしたが、玉木サイドが極秘裏会談にしたいとの要求にもかかわらず直前に会合が発覚、玉木は欠席するという事態があったが、本来そこには首相・安倍晋三が途中合流して同席する計画があったといわれている。

★つまり自民党に行きたくてしようがない。元は民主党の同僚議員、元環境相・細野豪志や元防衛副大臣・長島昭久らと同根だ。ここで問題なのは沈黙を続けている連合の態度だ。国民内の連合とその組織内議員たちはどうするのか。労働組合を完全否定してきた維新と合併までして改憲に駒を進める覚悟があるのならその態度を表明すべきだ。参院選から衆院選までの期間はそう長くない。(K)※敬称略

日刊スポーツ
[2019年7月29日9時5分 ]
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