国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が指南した規制緩和提案を巡るヒアリング開催が隠蔽(いんぺい)された問題で、内閣府は20日、このヒアリングに出席した原氏に謝金(謝礼)を支払っていたとする行政文書を公表した。内閣府はヒアリングが「非公式の会合だった」と主張するが、文書は「特区WGのヒアリング」と明記されており、矛盾は深まる一方だ。

 文書は、謝礼などを支出した際に残す「支出負担行為即支出決定議決書」。20日の野党の聞き取りに内閣府が開示した。「諸謝金:国家戦略区特区WG関係省庁等からのヒアリング(10/28)」と記され、真珠養殖の規制緩和提案を巡る水産庁の「ヒアリング概要」の記録文書と一致。2015年10月28日の開催を裏付けた。金額は黒塗りにされている。

 内閣府は謝礼について「(原氏ら)WG委員の時間を拘束したことに対して支払っている」と説明。公式・非公式を問わず、会合に出席した委員への謝礼だとした。ただ、野党からは「WGが会合を招集しさえすれば、趣旨に関係なく税金から謝礼を払うのか」と疑問の声も上がった。

【杉本修作、向畑泰司】

毎日新聞
2019年6月20日 18時47分
https://mainichi.jp/articles/20190620/k00/00m/010/223000c