自民党の森山国会対策委員長は記者団に、「国民の老後の生活に大きな不安が広がった。政府は金融庁だけの問題にせずしっかりと丁寧に国民に説明し不安を取り除く努力をする必要がある。現在の年金制度が将来にわたって持続可能であることも理解してもらいたい。与党としても、国民が安心して老後の生活を送ることができるよう、全世代型の社会保障の強化に向けて努力していきたい」と述べました。
一方で、野党側が求めている予算委員会の集中審議については「この報告書はもうなくなっているので、予算委員会にはなじまない」と述べ、応じない考えを示しました。

立民 辻元氏「民主主義の危機」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は、野党5党派の国会対策委員長会談で「麻生副総理兼金融担当大臣は、『迷走ドタバタ劇』から『ジタバタ劇』に変わってきている。かつて『消えた年金』があったが、今度は『消された報告書』ということで、報告書が抹殺されるような事態は民主主義の危機だ」と述べました。

国民 大塚氏「報告書詐欺だ」

国民民主党の大塚代表代行は会派の参議院議員総会で「麻生副総理兼金融担当大臣は金融庁の報告書を『受け取らない、認めない』と言っているが、自分のもとに置いている審議会であり、これでは『報告書詐欺だ』と言わざるをえない」と述べました。

公明 山口氏「不安あおらず注意深く議論を」

公明党の山口代表は党の参議院議員総会で「報告書は、人生100年時代にどのように老後の生活を送っていくか問題提起しようとしたものだと思うが、説明が十分でないなどいろいろな課題がある。年金制度とは何の関係もない議論で、年金制度の信頼性に揺るぎはない。中途半端な議論は誤解を招くことを心得たうえで、国会議員が責任を持って、国民の不安をあおらないよう注意深く議論していくべきだ」と述べました。

NHKニュース
2019年6月12日 12時43分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190612/amp/k10011949621000.html