【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官は2日、前提条件なしに金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を目指すとした安倍晋三首相に対し、「わが国に天下の悪事を働いておきながら、面の皮がクマの足の裏のように厚い」と批判した。朝鮮中央通信が報じた。

 北朝鮮が首相の無条件会談提案に反応を示すのは初めてとみられる。朝鮮半島統治に対する賠償など、過去の清算が先だと主張し、牽制(けんせい)する狙いのようだ。

 報道官は、北朝鮮が「正しい決断をすれば、制裁が解かれる。金氏の選択にかかっている」とした河野太郎外相の発言を「分不相応な妄言」と非難。「安倍は協議方針が変更したかのように宣伝し、執拗(しつよう)に平壌の扉をたたくが、わが国への敵視政策に変わったことなどない」と主張した。

 その上で「わが民族にもたらした罪悪の清算を考えず、憎らしく振る舞っていては『日の沈む国』『沈没する国』の境遇から永遠に抜け出せなくなる」と警告した。

産経新聞
https://www.sankei.com/world/amp/190603/wor1906030004-a.html