5月29日夕刻、東京都足立区のJR北千住駅前には人垣ができていた。

 その中心にいるのは山本太郎参院議員だ。ビール箱の上に立ち、年代別の貯蓄データなどを映したモニターを指しながら熱弁をふるう。

 「この国に生きる人の56%くらいが生活が苦しいと、シングルマザーの82%以上が生活が苦しいと言っている」

 「野党全体で消費税を5%に下げると早く言わなきゃ」

 1時間を超えて、聴衆からの質問に一つずつ答える。最前列の聴衆との距離は1メートルほど。サラリーマンや学生が徐々に足を止め、人垣は大きくなってゆく。

 山本氏の主張の目玉は格差是正と消費税廃止だ。安倍政権が10月に消費税を10%に引き上げれば、景気のさらなる悪化を招き、格差は広がると訴える。

 いま山本氏の挑戦が注目を集めている。それは支援者から寄付を募り、その額に応じて選挙に候補者を立てるというものだ。

 山本氏は4月10日に旧自由党…

朝日新聞
2019年6月1日5時0分
https://www.asahi.com/articles/ASM5Y55L5M5YUTFK00R.html