3メガバンクは国内の人員や店舗の削減など構造改革を加速させている。少子高齢化や人口減少で事業環境は元々厳しい上に、2013年から始まった日銀の大規模緩和による低金利で利ざやが稼げない。もうけが出にくい事業環境は当面続くとみられ、人的、物的面であらゆる合理化努力を迫られている。 (岸本拓也)

 各行は人工知能(AI)やデジタル技術などを活用し、これまで人間の手で行っていた事務作業を大幅に効率化。浮いた人員を営業現場などに回す一方、定年退職による自然減と新卒採用の抑制で総人員を減らしている。

 一七年十一月に三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が傘下の三菱UFJ銀行の従業員約四万人を二三年度までに約六千人削減、みずほFGもグループ全体の従業員約八万人を二六年度までに約一万九千人減らす方針を相次いで表明した。

 国内店舗の削減も進む。インターネットバンキングの利用者が増え、店舗への来店客が減少していることを踏まえ、三菱UFJは五百十五店舗(一七年度末時点)から二三年度までに約百店舗を減らす従来計画を上積みして約百八十店舗削減する方針を決めた。みずほも二四年度までに百拠点を統廃合する計画だったが、百三十拠点に積み増し。三井住友FGは店舗数は維持するが、デジタル技術で効率化した次世代型店舗へ移行を進めている。

 三メガバンクが今月発表した二〇一九年三月期連結決算は、本業のもうけを示す実質業務純益が、合算で前期比17・9%減の約一兆三千六百四十八億円と四年連続で減少した。

東京新聞
2019年5月22日 朝刊
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