自民党大阪府連の渡嘉敷奈緒美会長が、大阪維新の会の看板政策「大阪都構想」の住民投票の容認方針を表明したことに、都構想に反対する大阪市議団や堺市議団が反発し、18日に意見交換の場が持たれた。だが方針は「府連の決定」とする渡嘉敷氏と「会長の意見に過ぎず、合意形成すべきだ」とする市議団側の双方が主張を譲らず、議論は平行線をたどった。

 大阪府知事・市長のダブル選などの大敗で引責辞任した左藤章前会長の後任に就任した渡嘉敷氏は11日、「維新が勝った民意を尊重し、住民投票に賛成することを条件に会長を引き受けた」と主張。都構想に反対してきた市議団側は「有権者を冒とくするものだ」などと猛反発していた。

 このため18日に大阪市中央区の府連本部で地方議員らと協議し、その後の幹部会・役員会合同会議でも発言の趣旨を説明して理解を求めた。「サンドバッグになる」と会場入りした渡嘉敷氏は終了後の記者会見で、「皆さんに理解いただいたと言える状況でないが反対ばかり言ってもしょうがない」と強調。「ゼロベースに戻して議論し直すために、住民投票賛成を明確に打ち出す。撤回はしない。あえて強引なやり方をしている」と説明した。

 これに対し大阪市議団の北野妙子幹事長は報道陣に「府連として住民投票の賛成を機関決定したわけじゃない。反対姿勢は1ミリたりとも変えるつもりはない」と真っ向から反論。「今回の会議で都構想の理解が(党内で)進んでいないと改めて認識した」と述べた。

 混迷は深まる一方だが、渡嘉敷氏は「府連を立て直すことが大事」としており、25日にも4時間の合同会議を開いて自らの方針について話し合い、理解を求めるという。【矢追健介、真野敏幸】

毎日新聞
2019年5月18日 20時48分
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190518/k00/00m/010/263000c.amp