北朝鮮、飛翔体は弾道ミサイルか 発射なら安保理決議違反

【ソウル堀山明子】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5日、軍部隊の「火力砲撃訓練」が4日に行われ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が立ち会ったと写真付きで報じた。韓国の専門家らは、朝鮮中央通信が配信した写真のなかに、北朝鮮の新型短距離弾道ミサイル「北朝鮮版イスカンデル」の発射場面と推定されるものがあると指摘。弾道ミサイル発射なら、国連安全保障理事会決議に対する違反となる。

 韓国軍合同参謀本部は4日、北朝鮮が午前9時6分から約20分間、東部の元山(ウォンサン)付近から日本海に向けて飛翔(ひしょう)体を数発発射し、70〜200キロ飛行させたと発表しており、報道で伝えられた訓練はこの発射を指すとみられる。

 朝鮮中央通信によると、訓練は「大口径長距離放射砲(多連装ロケット砲)や戦術誘導兵器の運用能力の点検」などが目的。「戦術誘導兵器」とみられるミサイルの発射場面について、北朝鮮軍事に詳しい慶南大学・極東問題研究所の金東葉(キム・ドンヨプ)教授は、ロシアが開発したイスカンデル・ミサイルを北朝鮮が改良した地対地弾道ミサイルと推定されると分析した。

 砲撃訓練は予告なしで行われ、立ち会った金委員長は「いかなる勢力の威嚇や侵略からも、国の政治的自主権と経済的自立を守るため、戦闘力強化のための闘争を一層力強く進める」と述べたという。

 イスカンデル・ミサイルは、多様な誘導装置を装着した弾道ミサイルで、終末高高度防衛(THAAD)ミサイルなどの迎撃を避けるため、低高度で目標地点に近づける。ロシアから導入され北朝鮮で改良されたとみられる型は、昨年の軍事パレードで公開されていた。

 韓国国防省は5日、北朝鮮が4日に発射したのは「新型」の兵器だったとの分析を発表したが、弾道ミサイルかどうかには触れなかった。

毎日新聞 2019年5月5日 19時53分
https://mainichi.jp/articles/20190505/k00/00m/030/172000c

正恩氏、拉致と対話言及「いずれ安倍首相とも会う」 2月の米朝再会談で

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が2月末にベトナムで開かれた米朝首脳再会談で、拉致問題に言及していたことが分かった。「日朝間の懸案として日本人拉致問題があるのは分かっている。いずれ安倍晋三首相とも会う」とトランプ米大統領に語っていた。トランプ氏はこのやりとりを首相に伝えている。複数の日本政府関係者が5日、明らかにした。

 米朝再会談時の金氏の拉致問題に直接触れた発言が確認されたのは初めて。ただ金氏が問題解決に意欲を持っ…

毎日新聞 2019年5月5日 22時24分
https://mainichi.jp/articles/20190505/k00/00m/030/229000c