2019年04月19日 15時05分 日刊ゲンダイDIGITAL
https://news.nifty.com/article/domestic/gendai/12136-252495/
〈私の鼻血問題を通じて言えることは、この国では真実を語ってはいけないと言うこと〉

〈一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとって不都合な真実を語る人間を、つまはじきにする日本の社会の姿です〉

 人気漫画「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲氏がこう書きこんだブログが話題騒然だ。雁屋氏は「週刊ビッグコミックスピリッツ」(2014年4月28日発売号=小学館)に「美味しんぼ 福島の真実編」を掲載。東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す描写を巡り、安倍首相から「政府としては、根拠のない風評を払拭をしていく」などと痛罵され、世論の批判にさらされた。

「奇怪なこと」と題した今月15日付のブログには、騒動後の出来事が詳細につづられている。

 当時のスピリッツ編集部には抗議電話が殺到し、午前10時から午後10時近くまで電話が鳴りやまず、20回線が塞がって業務に支障をきたしていたという。15年に著書「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」(遊幻舎)を発売後、対談したジャーナリストからは開口一番、「僕は雁屋さんに反対です」と非難され、今年3月中旬にテレビ番組のディレクターから「美味しんぼ」関連の出演依頼を受けて快諾するも、「上司からの進言で番組内容がガラッと変わった」などと告げられ、見送られたという。

 雁屋氏は安倍首相に「風評」扱いされて以降、〈おかしな感じ〉を抱くようになったという。

〈テレビ、雑誌、などのジャーナリズム関係の人が、妙に私に対して白々しい態度を取ることが気になり始めたのです〉

 メディアが政権を忖度し、雁屋氏の封じ込めに動いているのだとしたら、トンデモないことだ。