韓国が日本の原発事故の被災地などから水産物の輸入を全て禁止していることについて、世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会が日本勝訴の一審を破棄して韓国の禁輸を容認する判断を示したことについて、韓国政府は12日、「高く評価し、歓迎する」との立場を明らかにした。

 記者会見した韓国の当局者は「日本の8県の全ての水産物は今後も輸入禁止を続ける」としたうえで、「安全性が確認された食品だけ食卓に上がるよう、さらにしっかりと検査し、我々の検疫主権を維持していく」とした。

 また「逆転勝訴」した背景については、一審で敗訴した後、「国民の健康と安全が最優先」という原則を守るため、通商の専門家を含む各省庁横断の紛争対応チームを設置したと指摘。「今回の判定は、こうした韓国政府の努力が反映された結果だ」と強調した。

 今後、日韓関係が悪化するのではないかとの質問に、この当局者は「今回は貿易に関する問題。外交問題には発展しないことを望む」と語った。(ソウル=神谷毅)

朝日新聞
2019年4月12日10時48分
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