<社説>廃琉置県140年 植民地主義から脱却せよ

140年前の琉球の人々が今の沖縄を見たら何と言うだろうか。当時から連綿と続く植民地支配のにおいをかぎ取るに違いない。

明治政府は1879年4月4日、琉球藩を廃し、沖縄県を置く旨を全国に布告した。「琉球処分」(琉球併合)といわれる廃琉置県である。
<中略>
琉球王国の約500年の歴史に終止符を打った廃琉置県の布告から140年がたった。沖縄は何が変わり何が変わらないのか。

その間、沖縄は本土決戦に備える時間稼ぎのための「捨て石」作戦により、12万人余の県民が犠牲になった沖縄戦を体験した。
その後、米国の統治下で広大な米軍基地が築かれ、反共防衛の「要石」にされる。
日本復帰後も米軍基地は維持され、全国の約7割を占める米軍専用施設(面積)を背負わされている。尖閣諸島の有事などに備え、自衛隊配備の強化も進んでいる。

こう見ると、琉球併合後の沖縄は、日米の軍事的なとりでにされ続けている点では変わらない。
基地被害に苦しむ住民の意思を無視し、抵抗を抑え付け、沖縄を国防の道具のように扱う様もそうだ。
それはもはや植民地主義と言うほかない。廃琉置県の布告は、それによる支配の始まりと言うこともできる。

米軍新基地建設に向けた辺野古の埋め立てはその象徴である。沖縄の人々は知事選や国政選挙、県民投票などで何度も反対の民意を示してきた。にもかかわらず土砂の投入を強行し続ける政府の対応は「琉球処分」と重なる。

しかし沖縄の人々は県民投票を実施したように、自分たちの大事なことは自分たちで決めるという自己決定権を主張するようになった。
それは言い換えれば植民地主義の拒否だ。沖縄の民意に沿って辺野古新基地建設を断念する。
それが日本政府や本土の人々にとって沖縄への植民地主義と決別する第一歩になる。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-898326.html



参考
琉球新報「琉球王国滅亡から140年。日本は植民地主義を止めろ!沖縄を国防の道具にするな!」
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1554330984/