4月7日投開票の統一地方選・第1弾で唯一、与野党全面対決となる北海道知事選。与野党幹部が連日駆けつけ、激しい応援合戦を展開中だが、23日は自民の客寄せパンダの小泉進次郎衆院議員が訪問。応援演説でマイクを握ったものの、「争点隠し」を完遂した。


 道知事選は@カジノを含むIR誘致AJR北海道の鉄路廃止B泊原発の再稼働――と安倍政権の国策への是非が争点。ところが、菅官房長官の差し金で擁立した自公推薦の鈴木直道・前夕張市長(38)は3大争点に一切、触れない「争点隠し選挙」を徹底している。

 この日、鈴木候補と並んで登壇した進次郎氏も「若さによる経験不足」「北海道出身ではない」「酒の席で酌に回らない」と鈴木候補に寄せられたという真偽不明の批判にいちいち反論。どうでもいい内容に時間を費やし約10分で演説を終え、やっぱり3大争点には一言も触れやしない。

進次郎氏は昨年の沖縄県知事選で3回も現地入り。


「応援演説で辺野古のヘの字も言わない」と批判されたのに、懲りない“お坊ちゃま”だ。

「鈴木候補への真の批判は進次郎氏が取り上げた内容ではありません。野党統一候補の石川知裕元衆院議員を支援する上田文雄・前札幌市長が『中央にすが(菅)るのはやめよう』と集会で訴え、同じく応援団の横路孝弘元知事も『菅官房長官の鶴の一声ならぬ狼の一声で、北海道連の多くが推す国交官僚ではなく、鈴木候補となった』と指摘したように、菅官房長官直系の“官邸言いなり知事”になることが宿命づけられた『出自』が、最大の批判ポイント。陣営には金庫番として北海道電力の元副社長も加わっています。それなのに、鈴木陣営は『道民目線』や『熟議』など曖昧な言葉を繰り返すのみ。進次郎氏は沖縄県知事選に続き、ロコツな争点隠しに手を貸しているのです」(現地を取材中のジャーナリスト・横田一氏)

 進次郎氏は今週末も北海道入りの予定だ。再び争点に触れなければ、争点隠しの風呂敷に堕したとのそしりは免れない。

日刊ゲンダイ
19/03/26 06:00
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