無所属の鷲尾英一郎衆院議員(新潟2区)が20日、自民党入党を申請した。

 近く認められる見通しで、二階俊博幹事長が主導した。二階氏は細野豪志元環境相を二階派特別会員に迎え、選挙区で競合する議員を抱える岸田派と緊張状態にある。鷲尾氏のケースも同じ選挙区にメンバーを擁する細田派が反発しており、二階氏は新たなあつれきを抱えた格好だ。

 「しっかり党勢拡大にまい進するように」。二階氏は20日、党本部で鷲尾氏から入党届を受け取ると、こう激励した。

 鷲尾氏は旧民進党出身。2017年衆院選後に同党を離党し、昨年6月の新潟県知事選では与党候補を支援した。入党については鷲尾氏から相談を受けた二階派幹部が、党新潟県連との調整を進めるよう助言するなど側面支援。節目ごとに二階氏の了承を取り付けながら進めていた。鷲尾氏は将来的に二階派入りする方向だ。

 ただ、鷲尾氏が議席を占める新潟2区は、細田派の細田健一衆院議員(比例代表北陸信越ブロック)が党支部長を務める選挙区でもある。細田派幹部は、二階氏の動きに対し「やりすぎだ」と不快感を隠さない。細田派は20日、緊急幹部会を開き、次期衆院選で細田氏の選挙区公認は譲らないことで一致した。

 二階派は鷲尾、細野両氏以外の無所属議員にも触手を伸ばしているとされる。選挙区の公認をめぐる摩擦がさらに生じる可能性もあり、岸田派中堅議員は「認めれば選挙の意味がなくなる」と批判した。

 一方、鷲尾氏の入党を県連が容認していることもあり、党内からは「若手を引き締める効果はある」(麻生派幹部)と指摘する声もある。 

時事通信
3/21(木) 7:16配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190321-00000012-jij-pol