【ソウル堀山明子】韓国人元徴用工による日本企業に対する損害賠償訴訟で、韓国最高裁で勝訴判決が確定した原告側弁護士は14日、ソウル市内の在韓日本大使館前で記者会見し、15日に被告企業の新日鉄住金、三菱重工、不二越の東京本社を訪れ、協議に応じなければ韓国国内の資産の差し押さえ手続きを進める方針を明らかにした。昨年10月に初の確定判決を受けた新日鉄住金訴訟の原告はすでに一部差し押さえ手続きに入っており、2月中に最終段階の売却申請を行うという。

 日本企業への損害が発生すれば日本政府は報復措置を講じる構えで、日韓関係はさらに厳しくなりそうだ。

 弁護士は、新日鉄住金の原告が90代の高齢であることや、企業側に協議の申し入れに応じる意思が全くみられないことなどを理由に、手続きを進める方針を決めたと報告。「売却申請は判決を履行する手続きであり、日本政府が国際法違反と主張するのは妥当ではない」と述べた。また、最高裁で係争中の不二越についても、15日の本社訪問で誠意ある対応がなければ資産差し押さえの仮執行手続きに着手する方針を示した。

 原告団関係者によると、申請から資産の現金化には3カ月程度かかる見通しという。

 会見に同席した三菱重工訴訟の原告団も、同社から申し入れに対応する反応がないため、2月中に回答がなければ差し押さえ手続きに入る考えを述べた。

毎日新聞
2019年2月14日 20時27分
https://mainichi.jp/articles/20190214/k00/00m/030/239000c