衆院予算委員会は8日、新年度予算案の基本的質疑に入った。厚生労働省の統計部門を束ねていた同省の大西康之・前政策統括官(1日付で大臣官房付)を参考人として招致し、午後に野党が質問する。大西氏について、午前に質問した自民党は参考人としての出席を要求しなかった。午後の公明党も求めていない。

 根本匠厚労相は統計不正問題について「つねに正確性が求められる政府統計で今般の事案を引き起こし、国民に深くおわびする」と陳謝。その一方で不正調査が長く続いたことについて「(統計の)不適切な取り扱いをしながら漫然と従来の方法を踏襲し上司に適切に報告しない、上司も事態の把握を怠り、報告があっても適切な対応がなされない」と厚労省職員の責任を強調した。「私が先頭になって、厚労行政の重みにたったガバナンスを確立する」と続投に意欲を見せた。自民党の岸田文雄政調会長への答弁。

 政府与党は新年度予算案の年度内成立を最重視し、野党が予算案審議入りの条件としていた大西氏の招致に応じた。8日の審議で与党が大西氏に質問しないことについて、与党の予算委理事の1人は「自民は違う話題を取り上げようとしているだけだ。初めから(招致は)いらないと言ってきた」と述べた。

 厚労省の検証によると、同省の…

朝日新聞
2019年2月8日11時38分
https://www.asahi.com/articles/ASM2833D2M28UTFK008.html