完全にバケの皮がはがれた格好だ。4日スタートした衆院予算委で質問に立った自民党の小泉進次郎議員。

 普段、歯切れのいいことを口にしているだけに、どんな厳しい質問をするのか注目されたが、政権批判はゼロ。安倍政権の援護に終始したからドッチラケだ。

「安倍首相ほど国会のなかで時間を使っている首脳はいない」と、まず首相の負担軽減を提案。安倍首相を大喜びさせた。さらに、野党から罷免を求められている根本厚労大臣について、「大臣を代えたらいいかといえば、それは違うと思う」とかばい、「厚労大臣はこの15年で13人いる。政権が民主党に代わっても、不正は分からなかった」と、野党に矛先を向ける始末だ。

 さすがに、立憲民主の辻元清美国対委員長は、「ガッカリした。『進次郎神話』の限界を見た」と、呆れ返っていた。

 父親の純一郎は「自民党をぶっ壊す」などと絶叫していたが、まだ当選4回の37歳なのに、すっかり牙を抜かれている。

「本人は将来を見据えているのでしょう。とにかく敵をつくらないようにしています。昨年の総裁選の時も、安倍、石破のどちらを支持するのか、なかなか明言せず、最後になって、関係者の話として“石破支持”だとNHKが報じています。安倍、石破のどちらにも恩を売った格好です。その結果、自民党の厚労部会長という人気ポストを手に入れている。本人は政界遊泳術を身につけたつもりなのでしょう」(自民党関係者)

 しかし、このまま優等生を演じても、単なる人気者で終わるだけだ。

「注目はされていますが、はたして進次郎に実績があるのでしょうか。イメージだけでしょう。予算委員会の質問は、せっかく存在感を発揮するチャンスなのに、心に残る質問をまったくしなかった。政界遊泳術を覚えても、大成しませんよ」(政治評論家・山口朝雄氏)

 ワンフレーズで気の利いたことは口にするが、なぜか、進次郎氏は野党と論争を戦わせるテレビ討論などには出たことがない。論破されバケの皮がはがれることを恐れているからなのか。

日刊ゲンダイ
2019/02/05 14:50 
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