ロシアのラブロフ外相は17日、同国のラジオ番組に出演し、日ロの平和条約交渉について、「1956年の日ソ共同宣言を基礎にした平和条約の締結は、日本が第2次世界大戦の結果を完全に認めることを意味する」と話した。ラブロフ氏は7日にも同様の発言をしており、近く予定される日ロ外相会談や首脳会談を前に、日本に揺さぶりをかけている。

 タス通信によると、ラブロフ氏は番組で「日本のパートナーは、いまだに(第2次大戦の結果だと)認める用意ができていないだけでなく、様々な形で認めることができないとほのめかしてくる」と日本を非難。日本側が態度を改めなければ交渉は進展しないと主張し、「第2次大戦の結果を認めることは、あらゆる交渉に不可欠な最初の一歩だ」と述べた。

 ラブロフ氏は7日にも同様の発言をし、「日本には、絶対に譲れない最初の一歩だと伝えてある」などとロシア側の立場を強調したばかり。ラブロフ氏がこうした対日強硬発言を繰り返す背景には、ロシアの立場を優位にし、北方領土の引き渡しに大半が反対するロシア世論に配慮している事情があるとみられる。(モスクワ=石橋亮介)

朝日新聞
2018年12月18日1時47分
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