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2018/12/12(水) 14:51:20.05ID:CAP_USER9内閣府が開示したのは1978年の作曲家古賀政男氏から羽生結弦まで、計25人と1団体の表彰検討における有識者の意見が記された文書。A4判34枚の書面はことごとく塗りつぶされ、栄えある第1号のプロ野球・王貞治氏(77年=通算本塁打世界最多の756号)に至っては文書自体が「不存在」だった。
国民栄誉賞表彰規程実施要領は、表彰を行おうとする場合は「候補者について、民間有識者の意見を聞くものとする」と定めている。明確な基準のない同賞をめぐっては、創設した福田赳夫内閣当時から「時の総理の人気取り」批判も絶えない。それだけに、どのような意見が示されたのか、そもそも誰が「有識者」として委嘱され、議論したのかも気になるところだ。ところが――。
文書では、意見のほか有識者の名前も伏せられた。わずかながら黒塗りされなかったのは、「報道」「体育」「歌謡」などといった有識者個々の専門分野のほか、「連絡先」「住所」「意見」などの項目欄。2016年のレスリング・伊調馨以降は氏名欄も消え、番号のみに。同時に、意見欄は「人柄」「国民に親しみのある分野か」「前人未到または不滅な業績を挙げたか」「その他問題点」などと項目が細分化されるようになり、政府側が世論に敏感になった形跡もうかがえる。
また、計3例ある同日2人表彰では、意見は候補者個別でなく、2人一緒にまとめられていることも分かった。
内閣府の規程で「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃える」と定められている同賞。「一字一句でなくても、大まかにどのような意見が述べられたのかはオープンにしていいのではないか」と話すのは、かつて在職中に授与が行われた内閣で仕事をした元官邸関係者だ。
この関係者によると、表彰にあたっては「官邸の中に検討委員会や選考委員会を設置するわけではない」。内閣府の職員が有識者を選び、聴取した意見を官房長官へ上げているとみられる。政府や省庁が設ける様々な有識者会議では議事録や委員名が公開されているものもある。これは「政治の意思」(同)。国民栄誉賞ではこうした意思が働いておらず、検討過程の不透明感は拭えない。
内閣府は本紙の取材に「受賞候補者の活動分野に応じて適切な有識者の選考及び意見聴取を行っている」と説明。具体的な方法は「事務の性質上、公にすることにより、事務の適切な遂行に支障を及ぼす恐れがある」として公表を控えてきた。黒塗りは「内閣府大臣官房長が決定を行いました」という。
有識者の属性や意見を明かさない根拠は情報公開法第5条。氏名などの個人情報は開示の例外とされる。意見内容も、率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある場合は同様だ。
NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「氏名や役職等については裁量の余地なく、形式的に判断していると思う」と黒塗りの経緯を推し量る。続けて「問題は、そこ(氏名等)を消した後に『意見』を出すか出さないかというところで、ここは行政側の裁量が働く世界だと思う」と語った。
こうした「恐れ」を理由とする黒塗りは、全面開示で予想される有識者側の反発や行政への波紋を考慮した「予防的非公開みたいな発想だと思う」(三木氏)。もしくは、非公開を前提に聴取が行われている可能性もある。
黒塗りなしで開示される方法はあるのか。三木氏は、授与検討過程のあり方を行政に問うやり方が効果的だと指摘。「卓越した功績に与える賞に対し、誰からどんな意見を聞いたのかも分からない。『こういう情報公開の仕方が、かえって名誉を損なう』くらいの話にした方がいいように思います」と話した。
東スポ
2018年12月11日 11時00分
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