これは非常に重要なポイントだと思うので整理してみたいのです。

BLOGOS上の著名な弁護士お二人が『日韓基本条約』及び付帯する『請求権並びに経済協定』では、個人の請求権は消滅しないと主張しています。


(中略)


ここで反論しておきます。

今一度、『請求権並びに経済協定』の第二条を確認いたしましょう。

第二条では、これにおいて「両国は請求権問題の完全かつ最終的な解決を認める」と明記されています。

第二条 両国は請求権問題の完全かつ最終的な解決を認める

両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、
千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。(以下省略)

データベース「世界と日本」(代表:田中明彦) より

http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/JPKR/19650622.T9J.html

この第二条は極めて重要です。

これにより国家対国家としては「その国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題」
がすべて「完全かつ最終的に解決された」わけです。

これの意味するところは、「個人の実体的請求権の完全消滅」ではなくて、請求権の行為の対象が日本政府から韓国政府に移行した、ということでしょう。

これにより韓国人徴用工などへの補償は韓国政府が行うことになったのです。

わかりやすく図示するとこうです。

写真:図解
https://static.blogos.com/media/img/111569/raw.jpg

この考えは日本政府だけでなく韓国政府も共有しているものです。

まとめます。

確かに日韓基本条約によって『個人の請求権』が消滅したわけではありません。

請求権行為対象者が韓国政府に移行しただけです。

非常に重要なポイントだと思うので整理してみました。

本件で読者の皆さんはいかがお考えでしょうか。


ソース:BLOGOS
https://blogos.com/article/336018/
2018年11月02日 12:28