立憲民主党の枝野幸男代表は30日、東京都内で開いた初の党大会での演説で「野党第一党として政権の選択肢となり、遠からず政権を担う」と訴えた。

 昨年10月2日の結党表明から衆院選の投開票まで20日間しかなったことを振り返り「国民が動けば20日間で野党第一党を作れる。私たちは永田町の常識を覆して皆さんの力を信じて進みたい」とも強調した。

 一方、国民民主党が唱える複数野党による政権構想策定については「拙速な政権構想論の前に日本の未来の青写真こそが問われなければならない」と否定的な見解を示した。

 演説の詳報は次の通り。



 たった1人で記者会見をさせていただいて、そこから始まった政党が、多くの国民の皆さんに背中を押していただき、志を貫いた多くの仲間たちが集い、小さいながらも野党第一党という結果を出した。それが立憲民主党の原点です。

 政治家の都合で、永田町の理屈で、離合集散を繰り返してできた政党ではありません。これまでの永田町の内側を向いた政党政治に失望していた方々のお力によって、私たちは貴重な議席を預かりました。

 私にとっても、20年あまりの議員生活の中で忘れていた、自分の政治の原点に戻ったような思いであります。永田町の内側を向いた政治のあり方を深く反省し、国民とともに新しい民主主義のステージを作る。それが私たちの当然の使命であると考えます。

 民主主義とは「選べること」です。選べないということは、人に任せるということです。野党第一党として政権の選択肢となり、遠からず政権を担う。

 そして、われわれは(政権を)取るだけでは許されない。立憲民主党を構成する多くの議員が、民主党政権でさまざまな役割を担ったメンバー。あのときの教訓を生かさなければならない。
「政権を替えたらいいことがある」と多くの皆さんに感じていただける結果を出さなければならない。私の責任は政権を得ることではなくて長期政権を作ることだと確信しています。

 自民党総裁選が終わったことで「ポスト安倍(晋三首相)」という話が出ています。しかし、野党第一党の党首である私がポスト安倍です。

 「今すぐ政権」というには内実が伴っていない。それは確かです。しかし、必ずや内実を伴った状況を作り、政権を担う責任を果たすことを、その強い覚悟と決意を皆さんにお約束申し上げます。

 来年の参院選などに向けて永田町では「政権構想」を問う向きがあります。立憲民主党はこれまでも申し上げてきた通り、永田町内、国会内での数合わせを第一に考えたり行動したりすることはいたしません。

 今、問われているのは「政権構想」ではなくて「日本の社会構想」ではないでしょうか。拙速な政権構想論の前に、そのビジョン、日本の未来の青写真こそが問われなければならないと思います。

 昨年の結党から衆院選に至る経緯で、国民・有権者には力があると私は確信しました。皆さん、どうですか? 国民の皆さんが動けば20日間で野党第一党を作れる! そのことを皆さんの力で、昨年、証明したんです。

 だから、私たちは永田町の常識を覆して、皆さんの力を信じて進みたいと思います。本当の変化は必ず小さな動きから、小さな声から始まります。
小さな声がつながり、大きなうねりとなって新しい時代が切り開かれます。そんなプロセスで誕生し、芽を出すところまで育てていただいた立憲民主党は、そのことを誰よりも知っています。

 皆さんには力がある。立憲民主党はあなたの力を信じて進みます。ですから、私にはあなたの力が必要です! これからも一緒に新しい民主主義を、
そのステージを、新しい時代を切り開いていくために、ともに戦っていこうではありませんか。皆さんの力を信じて、立憲民主党は2年目、新たなステージを進んでまいります。ともに頑張りましょう!
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