相撲協会に退職を届け出た貴乃花(46)に、「参院選出馬説」が一斉に飛び交っている。“すでに自民党が貴乃花サイドに接触した”という情報も流れている。

 貴乃花の「参院選出馬説」は、25日、本人が“引退会見”を開いた直後から流れはじめた。

「貴の出馬話は、政界と相撲界の両方から流れています。『安倍官邸が直接関わっている安倍案件だ』ともっともらしく解説され、『二階幹事長の周辺が貴のタニマチに接触した』という情報もあります。たしかに、貴が相撲界との縁切りに踏み切れたのも、政界進出という次のステージが用意されているからだと考えればわかりやすい」(政界関係者)

 実際、安倍自民党は、喉から手が出るほど参院選の目玉候補が欲しいはずだ。なにしろ、自民党はいまから苦戦が予想されている。12年に1度、統一地方選と参院選が重なる亥年は、自民党は参院選で大敗しやすい。もし、敗北したら安倍首相は退陣に追い込まれてもおかしくない。

貴乃花の擁立について政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。

「自民党が参院比例代表の目玉候補を探しているのは間違いありません。これまでもスポーツ選手は目玉候補となってきた。東京五輪を翌年に控える来夏の参院選はなおさらでしょう。貴乃花の擁立に動く可能性は十分にあります」

 目玉候補として、青学大陸上競技部の原晋監督も取り沙汰されている。

 貴乃花にとっても、政界進出は悪い話じゃない。安定した収入と名誉と地位を手に入れられ、国会議員として憎き相撲協会にメスを入れられるからだ。

 参院選出馬はあるのか。「貴乃花オフィス」にメールで問い合わせたが、回答はなかった。

 もし出馬したら、貴乃花はどのくらいの票を奪うのか。過去3回、参院選比例区の有名人の得票数は、今井絵理子31万9000票、堀内恒夫8万4000票(落選)、橋本聖子27万9000票、塚原光男2万8000票(落選)、アントニオ猪木35万6000票、谷亮子35万2000票だった。

貴乃花は50万票は堅いという声もある。

「大量得票するかどうかは、一連の騒動を有権者がどう判断するかです。アンケートでは、貴乃花の行動への賛否は分かれています。巨大組織とよく戦ったという評価と、組織人としておかしいという批判がある。知名度は抜群なだけに、世論を味方につけたらかなりの得票となるはずです」(鈴木哲夫氏)

 お騒がせ男は、どこに着地するのか。

日刊ゲンダイ
2018/09/29 06:00
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