台風復旧の対応よりも、万博誘致を優先だ。大阪府の松井一郎知事が9日、ハンガリー、デンマーク、イタリア訪問に飛び立った。帰国は16日の予定だ。

 欧州歴訪の理由は、11月の2025年万博の開催地決定を前に、大阪誘致への支持を各国の政府関係者に要請するため。

 台風21号の影響で大阪府内では、今なお停電が続き、関係機関は復旧対応に追われている。そんな混乱の真っただ中に、災害対応の司令塔である大阪府のトップが1週間も不在になるのだ。

 府民を置き去りにしてまで、そんなに万博誘致が大事なのか。松井知事の人間性を疑うほかないが、本人は「この時点で訪問をキャンセルすれば、都市として脆弱だと思われる。災害の被害を最低限に抑える力があることを伝えたい」と珍妙な屁理屈で非道な行為を正当化する始末だ。

 松井知事は関西空港から出発する予定だったが、急きょ中部空港に変更。それだけ台風被害の影響で関空がメタメタで、府民が困っている証拠だ。大阪府民はナメた知事にもっと怒った方がいい。

日刊ゲンダイ
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