「LGBTは生産性がない」と発言し、炎上中の杉田水脈衆院議員(51)。自民党が2日、「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として、杉田氏に今後注意するよう指導したとの党見解をホームページに掲載したものの、すでに米CNNや英紙インディペンデント、仏紙ルモンドなど海外メディアまで問題視し始めている。

 CNNは先月26日付の電子版で〈(安倍首相は)杉田議員の発言について論議することで、党内で波風を立てることを避けている〉とテンプル大学教授の発言を引きながら、批判を展開している。

 実際、CNNが指摘した通り、安倍首相は“杉田水脈発言”についてダンマリを決め込んでいる。ヘタに触ったら、総裁選に影響しかねないと分かっているからだ。

 何しろ批判は収まる気配がなく、「党本部や地方県連にも抗議電話が殺到している」(自民党関係者)。日刊ゲンダイが、杉田議員の出身地である兵庫の自民党県連に問い合わせると、「『杉田議員の事務所の連絡先を教えろ』という問い合わせが数件あった」という。

地方選出の自民党中堅議員はこう言う。

「地元に戻ると、杉田さんの発言について『いくら何でもヒド過ぎる』と文句を言われ迷惑しています。さすがに総理も頭を悩ませているようです」

 安倍首相周辺が焦っているのは、安倍応援団には杉田議員と同じ考え方の者が一定数いることだ。バッサリ切り捨てたら、安倍応援団が離れかねない。かといって放置していたら自民党への批判は強まっていく。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「一部では、杉田議員をスカウトしたのは安倍首相周辺だったと報じられています。それだけに、安倍首相は厳しく処分できないでいるのでしょう。一方、総裁選の対立候補と目されている石破茂議員は、きっぱりと『杉田発言は許してはならない』と批判しています。論点が明確になったことで、一大争点になってもおかしくありません。東京五輪のホストとしてどちらがふさわしいか、総裁選の行方に影響する可能性は十分考えられます」

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、かつてネット番組で「安倍さんがやっぱりね、『杉田さんは素晴らしい!』と言った」と、杉田議員をスカウトした安倍首相を持ち上げていた。杉田氏の発言を認めないなら、安倍首相は杉田議員を除名すべきだ。

日刊ゲンダイ
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