昨年三月、元経済産業省職員の飯塚盛康さん(63)はフェイスブックに届いたメッセージに目を見張った。

 「谷さんに責任を負わせようなどということは勿論(もちろん)全く思っていません」。送られてきたのは安倍晋三首相(63)の妻昭恵氏(56)のアカウントからで、「谷さん」は首相夫人付きの政府職員だった谷査恵子氏のこと。メッセージは飯塚さんへの反論だった。

 財務省の記録によると、二〇一五年十一月、谷氏は理財局国有財産業務課の職員に電話で切り出した。「安倍総理夫人の知り合いの方から、(国有地の借地料軽減の)優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、当方からお問い合わせさせていただいた」

 「知り合いの方」とは森友学園理事長だった籠池(かごいけ)泰典被告(65)。谷氏は、財務省が介護施設に適用を検討していた国有地賃料の優遇制度を、学校法人にも拡大するのか尋ねた。理財局は丁寧に否定した。

 証人喚問で籠池被告がこの事実を明らかにすると、政府は谷氏が自発的に行ったと釈明した。「昭恵氏と内閣官房のそれなりの役職に相談報告しているはず。谷さんに全責任を負わせようとしている」という飯塚さんの怒りの書き込みは昭恵氏の目にも留まったようだ。「いきなりメッセージが届いて驚いた。私にではなく、国会で発言してほしい」と飯塚さんは訴える。

 昭恵氏が籠池被告と知り合ったのは一二年十二月の第二次安倍政権の発足前。学園が運営する幼稚園の保護者の紹介だったという。幼稚園で三度講演し、「教育勅語などに感動した」とフェイスブックに書き込んだこともあった。

「親も園児用の小さなイスに座って、ぎゅうぎゅう詰めでした」。講演を聴いた元保護者の男性(48)は話した。園児が声をそろえて「安倍総理大臣、いつも日本を守ってくれてありがとうございます」と言ったのには驚いたという。

 「瑞穂の國(くに)記念小學院」という名前は、建設予定地を案内された昭恵氏が「いい田んぼができそうですね」と言ったことから付けられた。「日本初で唯一の神道の小学校」という学校を、昭恵氏は「日本人としての誇りを持つ子どもを育てる」と称賛した。

 昭恵氏が小学校の名誉校長に就いてから半年後の一六年三月。学園側は国有地から「ごみが見つかった」と近畿財務局に伝え、ごみの撤去費を差し引いた額で土地を売るよう迫った。「六月の棟上げ式には首相夫人を招待する。できなければ切腹する覚悟」。籠池被告の口からは、昭恵氏の名前が繰り返し出た。

 三年に及んだ交渉で、学園側は国有地の賃料の引き下げや売却時の大幅値引きを要求。近畿財務局は時に抵抗しながらも、最終的に応じた。「神風が吹いた」という籠池被告の国会証言は、劣勢を挽回したことを示唆している。

 「私や妻は土地の払い下げに関与していない」。首相はそう答弁し続けてきたが、ではなぜ、財務省の交渉記録は改ざんされ、捨てられたのか。復元された記録からは「首相夫人」の威光が浮かび上がる。

東京新聞
2018年7月5日
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2018/haishinnone/list/180615.html


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