先月19日、加計学園の岡山理大(岡山)で初の記者会見を開いた加計孝太郎理事長。地元記者だけを対象に、30分足らずで終了した緊急会見には、「卑劣」との批判が相次いだ。この不可解な会見の裏には、地元マスコミを掌握する“加計人脈”が見え隠れする。

 会見の窓口を務めた幹事社は、地元・岡山の山陽新聞社。同社会長は、2006年12月から14年6月まで社長を務めた越宗孝昌氏だ。ナント、加計学園の理事も務めており、理事長とズブズブの仲である。

「2009年、私学教育振興への功績として、加計理事長に『山陽新聞賞』が授与されました。11年11月には、加計氏と越宗氏の対談記事が山陽新聞に掲載。安倍首相も出席した同月の『加計学園創立50周年』記念行事でも、越宗氏は祝辞を述べていました。12年3月に山陽新聞と学園は、教育や研究の推進を目的として、連携協定を締結。その後、山陽新聞に掲載された学園の広告が、岡山広告協会主催の『新聞広告賞金賞』を受賞しました。当時の協会会長は越宗氏。学園と山陽新聞の仲は、推して知るべしですね」(地元記者)

越宗氏と学園の関係について、山陽新聞社に問い合わせると、「(越宗会長は)いろいろな肩書を持っていますが、個別の事案についてはお答えしていません。加計学園に聞いてください」(総務局長)との返答だった。そこで、学園側に、越宗氏の役員報酬などを問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

 越宗氏と加計理事長は、現在、岡山でスポーツや文化活動の啓発を行う公益財団法人「マルセンスポーツ・文化振興財団」の理事職をそろって務めている。

 マスコミのトップと仲良くする――。大メディアの親分と頻繁に会食する安倍首相とソックリじゃないか。

日刊ゲンダイ
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