28日の働き方改革関連法案の参院厚生労働委員会での採決を巡り、野党間で対応が分かれた。立憲民主党、共産党、希望の会(自由・社民)の3会派は島村大委員長(自民)の解任決議案を共同提出したが、参院野党第1会派の国民民主党は加わらなかった。

支持率が低迷する国民は立憲との違いを際立たせるために独自に行動する場面が目立ち、他の野党との距離が広がり始めている。与党は野党連携切り崩しの好機ととらえ、国民に秋波を送り始めている。

 「解任決議案について同意を得られなかったのは遺憾だ」。立憲の那谷屋正義参院国対委員長は28日、記者団に、3会派での提出にとどまったことに不満をにじませた。野党第1会派の国民が同調しなかったため、参院の慣例で、決議案は参院本会議で取り扱われなかった。

 共同提出に加わらなかった理由について、国民の大塚耕平共同代表は記者会見で「委員長の運営に解任動議に当たるだけの瑕疵(かし)は感じられない」と語った。

 参院で野党の足並みがそろわない背景には、「対決より解決」を掲げる国民と、安倍政権への対決色を強める立憲とのスタンスの違いがある。ただ、国民(24人)と立憲(23人)の差はわずか1人。立憲には他の野党と共同歩調を取って主導権を握りたい思惑もある。

 与党が日本維新の会、希望の党と衆院に共同提出した憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案を巡っては「国民がこちらに来るかがポイントだ」(公明幹部)と、与党は国民の参加に期待を寄せる。野党の足並みの乱れは、来夏の参院選での野党連携にも影を落としそうだ。【遠藤修平】

毎日新聞
2018年6月28日 21時14分
https://mainichi.jp/articles/20180629/k00/00m/010/110000c