◆東電 柏崎刈羽原発の再稼働 新潟県に求める 知事選受け
2018年6月11日 10時43分 NHK

今回の知事選挙の結果を受けて、東京電力は、引き続き新潟県に柏崎刈羽原発の再稼働への理解を求めていくことにしています。

東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働を目指すのは、電力供給という面よりも、収益の改善を図るためです。

東京電力は、およそ22兆円と試算された福島第一原発事故の賠償や除染、廃炉などの費用を担っていくために、今後10年以内に年間の収益を2000億円以上、改善することにしています。

さらに、火力発電などに比べれば、1基が稼働すると年間で最大1100億円の発電コストの削減効果があるとする柏崎刈羽原発の再稼働で収益改善を加速させたいとしているからです。

原発の再稼働には地元の同意が必要となりますが、新潟県の米山前知事は福島の原発事故の原因や事故が及ぼす健康への影響、住民の避難計画の実効性の検証作業を終えるまでは、再稼働を認めるかどうか判断しないとしていました。

今回当選した花角氏も再稼働には慎重な姿勢を示し、検証作業に少なくとも2、3年をかけるとしていて、東京電力は、引き続き再稼働に向けて理解を求めていくことにしています。

■「新知事に丁寧に説明」

10日投票が行われた新潟県知事選挙で花角英世氏が当選したことについて東京電力は「引き続き、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策などに取り組み、花角新知事をはじめ県民の皆様に丁寧に説明するとともに、新潟県が進めている3つの検証にしっかりと協力してまいります」としています。

■世耕経産相「新知事の考えうかがう」

10日投票が行われた新潟県知事選挙で、花角英世氏が当選したことについて、世耕経済産業大臣は11日午前、記者団に対し、「まずは新知事の考えをしっかりうかがう機会を持ちたい。原子力政策は安全最優先で進めながら新潟県民の理解を得られるように国としても努力をしていきたい」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180611/k10011472131000.html