厚労省の高プロ是非 聞き取り 大半が法案概要決定後

厚生労働省は七日の参院厚労委員会で、「働き方」関連法案に盛り込んだ高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」の創設を巡ってニーズの把握で行った十二人への聞き取りのうち、九人は今年一月と二月に行ったと明らかにした。この時期は法案の概要がすでに決まっており、野党は「聞き取りはアリバイづくりだ」と批判した。

 政府はこれまでの国会審議で、高プロの必要性についてコンサルタントや研究開発職などの十二人から意見を聞いたと説明。労働者の中に高プロ創設を求める一定のニーズがあると主張してきた。

 七日の参院厚労委で、厚労省の山越敬一・労働基準局長が十二人の聞き取りの時期について、三人は二〇一五年三月、残りの九人は今年一月三十一日と二月一日に行ったことを明らかにした。この時期は閣議決定を前に法案の概要が決まり、衆参両院の予算委員会で議論されていた。

 聞き取りの大半が法案提出直前だったことに対し、社民党の福島瑞穂氏は「今年の二月なら高プロ創設の方針はがちがちに固まっている。これを唯一の根拠にするのは茶番だ」と批判した。 (木谷孝洋)

東京新聞
2018年6月8日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/CK2018060802000155.html