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2018/05/22(火) 07:56:19.39ID:CAP_USER9麻生太郎副総理兼財務相(77)はまさに「銀の匙(さじ)」をくわえて生まれてきた。九州・福岡時代は父親が自分のためにつくった「麻生塾小学校」に通い、上京後は皇室とも関わりの深い学習院初等科からエスカレーターで学習院大学を卒業した毛並みの良さ。クレー射撃で日本代表として五輪にも出場したスポーツマンであり、洗礼を受けたクリスチャンでもある。
祖父は吉田茂元首相、高祖父は明治の元勲・大久保利通という遺伝子を継ぎつつ、漫画が好きで漢字が苦手。そんな麻生氏は今、自らのみならず国の品格が問われる立場にありながら、自律できない。安倍晋三首相も注意できない。安倍氏がスローガンに掲げていた「美しい国」はいつの間にか「恥ずかしい国」になってしまった。
本音なのか失言なのか妄言なのか。麻生氏の乱暴な言葉遣いが特に目立つのは、公文書改竄(かいざん)から次官がセクハラで辞任した一連の財務省の不祥事について、責任者としてコメントを求められるようになった今年3月以降だ。
まず、国税庁長官だった前理財局長の佐川宣寿氏を改竄の「責任者」と断じ、報道陣を前に「サガワが、サガワが」と呼び捨てで連呼。文字に起こすのもおぞましいようなセクハラ発言を繰り返していた福田淳一前事務次官については、被害を受けた女性記者が特定されていない段階の4月16日、財務省が女性記者の被害申告を求めると発表、それを受けた麻生氏は被害者が名乗り出ない限りセクハラの事実は証明できないとした上で、テレビカメラに向かって上目遣いにこう言い放った。
「福田の人権は、なしってわけですかぁ」
冤罪(えんざい)事件に挑む弁護士を気取ったわけではないだろうが、18日には福田氏がセクハラ自体は否認しながら「仕事にならないから」と珍妙な理由で辞意を表明。それから数時間後の19日未明に女性記者が所属していたテレビ朝日が記者会見して被害を訴えた上で財務省に抗議した。そして、福田氏がセクハラ行為を認めないまま同27日、財務省が「テレ朝側の主張を覆す証拠が示されなかった」という理由で福田氏のセクハラ行為を認定、懲戒処分として5319万円の退職金から141万円を減額すると発表した。
福田氏の人権に言及して擁護するような姿勢を見せながら、本人が認めないうちにトカゲの尻尾を切り、自らはトップに居座り続ける感覚も疑問だ。
さらに、5月4日に外遊先のフィリピンで飛び出したのがこれ。
「セクハラ罪っていう罪はない」
「殺人とか強わい(強制わいせつ)とは違う」
麻生氏は帰国後も同様の趣旨の言動を繰り返し、また福田氏が被害女性記者に「はめられた可能性がある」という発言も、撤回はしたものの幾度も繰り返した。財務省が行った処分との整合性にももとるし、また人権感覚がゆがんでいるとしかとらえようがない。そもそも国の指導者として何を主張したいのか。
政治評論家の森田実氏はこう断じる。
「副総理兼財務相どころか政治家を即刻辞めるべきだ。それぐらい度を越してひどい。海外にも伝わっている日本の恥です」
麻生氏が気分次第で放言を繰り返す癖は、今に始まったことではない。ヒトラーを引き合いに出した失言も一回ではないし、1983年には女性差別問題に対する意識の低さを露呈するようなこんな発言をしている。
「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」
森田氏は言う。
「自民党が政権を失ったのは2回。ひとつは宮澤喜一内閣のときに党が分裂して日本新党を中心とした野党勢力による細川護熙政権になった。もうひとつは麻生政権時代に、彼自らが失言を繰り返したり、小学生でも読めるような漢字・熟語を何度も読み間違えたりしたことで国民の信用を失い、民主党政権が誕生した。そういう人間がまた重要な立場で出てきて、黙っている間は目立たなかったのが、発言する機会が増えたことで、とんでもなく品格に欠け、礼節を心得ない人物であることが明らかになった」
精神科医で評論家の野田正彰・元関西学院大学教授は、麻生氏が首相だったころ、学会などで訪れた欧州でこんな小噺(こばなし)をよく耳にしたという。
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(編集部・大平誠)
※AERA 2018年5月28日号
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