麻生財務相「福田次官の声であること前提に調査」
4月18日 17時40分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180418/k10011408411000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002

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18日の衆議院の財務金融委員会で、財務省の福田事務次官がセクハラと受け取られる発言をしていたという報道をめぐり、質疑が集中しました。

公開された音声データが福田次官の声かどうか、専門家に鑑定を依頼すべきではないかという指摘に対して、麻生副総理兼財務大臣は、鑑定するつもりはないという考えを示しました。

麻生副総理は「福田次官本人も音声データのような発言をしたことがあることは否定していない。音声データを鑑定するよりも福田次官の声であることを前提に事実関係を解明すべく調査を進めている」と述べました。

◆「野田大臣の指摘は大事なポイント」
財務省が報道各社の女性記者に調査への協力を要請したことに、野田女性活躍担当大臣から批判の声が上がっています。

麻生副総理兼財務大臣は「野田大臣は被害者に配慮すべきだと言っている。これは大事なポイントだと思っている。他方で、事実関係を押さえるため女性記者には調査への協力をお願いしたい。不利益が生じないよう責任を持って対応させていただく」と述べました。

◆名乗りでてもらわないと認定は難しい
また、財務省が調査を委託した弁護士事務所に、女性記者が被害を名乗り出なければセクハラの認定をしないのかという質問に対して、財務省の矢野官房長は、名乗りでてもらわないと認定は難しいという認識を示しました。

答弁の中で矢野官房長は、「セクハラは中身が分からないものは、処分に至らないのは世の常だ。週刊誌の中ではこんなことをされてとても不快だったとカギ括弧つきで書かれている。そうであれば被害にあった方が財務省ではなく弁護士に名乗り出て、名前を伏せておっしゃることがそんなに苦痛なことなのか、という思いだ。それ以外にわれわれは調査のしようがないと思っている」と述べました。

◆秘書官に届ける形で首相にも報告
また、報道のようなやり取りをした女性記者がいるならば、調査への協力をお願いしたいと要請する財務省の文書について、野党の議員はメディアや女性記者に圧力をかけるものだと批判し、「これはセクハラ・パワハラのもみ消し宣言だ。安倍総理大臣には報告しているのか」とただしました。

これに対して、財務省の矢野官房長は「事務方トップに関わる報道だったので、事務的な手続きとして、公表前に安倍総理大臣と菅官房長官の秘書官に届ける形で報告している」と述べ、官邸に報告したうえで文書を公表したことを明らかにしました。

◆福田次官の言い分の公表は必要な対応
財務省は16日、福田事務次官が聞き取り調査に対して、「報道は事実は異なる」と否定していることを公表しました。野党の議員は一方的に福田事務次官の言い分だけを公表するのは女性記者への配慮にかけているのではないかと、批判しました。

これに対して財務省の矢野官房長は、被害を受けたとされる女性記者が、先に週刊誌で強い不快感を表明したため調査が行われたことを説明しました。そのうえで「福田次官本人が報道に対して抱いているちょっと違うという意識を書かないと、なぜ、次官はさっさと頭を下げて、処分を受けないんだということになる。そう思ったから本人の言い分を発表した」と述べ、福田次官の言い分を公表するのは必要な対応だったと釈明しました。