昨年3月、大阪国税局から約5億円の私的流用があったと指摘されたNPO法人「西宮障害者雇用支援センター」。同NPO法人の寺下篤史理事長が「週刊文春」の取材に応じ、西村康稔官房副長官に「50万円をお車代としてお渡ししたこともあります」と告白した。

西村氏と言えば通産省のキャリア官僚出身で、安倍首相の側近中の側近だ。森友問題では、「官邸と自民党の連絡役を担っていた」(政治部デスク)という。

 兵庫県選出の西村氏に障害者就労の現場を視察してもらう計画が浮上し、2015年12月11日に実現。寺下氏本人が明かす。

「西村議員は地元の山田賢司衆院議員や随行の秘書らとともに現場を視察し、NPOの事務所で私達と1時間弱、意見交換をしました。事前に仲介者から『謝礼を用意して欲しい』と言われていたので、帰り際に現金50万円を封筒に入れて西村氏の秘書にお渡ししました」

 ところが今年1月17日になって突如、寺下氏の父の元に西村康稔事務所名で現金書留と、もう封書1通が送り付けられたという。

 西村事務所に50万円の授受について質すと文書でこう回答した。

「当事務所担当者がNPO法人関係者に複数回の政治資金パーティーの対価であることを当時確認し、その旨収支報告書に20万円以下のパーティー券の対価としての処理をし、領収書も送付している(中略)国税調査の結果、追徴を受けたことを知り、道義的見地からNPO法人に50万円を西村事務所名で直接返金させて頂きましたが、受け取りを拒否され返送されているところです」

 だが寺下氏は「50万円はパーティー券代ではない」と主張する。3月29日(木)発売の「週刊文春」では、西村氏とNPOのトラブルについて詳報している。


文春オンライン
3/28 15:00
http://bunshun.jp/articles/-/6782