学校法人「森友学園」への国有地売却問題でキーパーソンとなっている安倍晋三首相の昭恵夫人に対し、当面の活動自粛を求める声が政権内で強まっている。

 土地取引への昭恵氏の関与を疑う野党が攻勢を強めており、野党に追及材料を与える可能性を極力排除したいとの思いがある。

 「昭恵氏はかなり(土地)取引のことは知っていたのではないかという印象を受けた。話を聞かないといけない」。希望の党の今井雅人衆院議員は23日、大阪拘置所に勾留中の学園前理事長の籠池泰典被告との接見後、記者団にこう強調した。

 昭恵氏は学園が開設を目指した小学校の名誉校長に一時就任。野党は昭恵氏と学園の関係が、学園の土地取引に有利に働いた可能性があるとみて昭恵氏の証人喚問を要求している。

 昭恵氏は奔放な性格で知られる一方、言動の軽率さも指摘される。財務省が土地取引の決裁文書改ざんを認める前日の11日、昭恵氏のフェイスブックに投稿された「野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね」とのコメントに、昭恵氏のアカウントから「いいね!」ボタンが押された。その後、昭恵氏が経営する東京都内の居酒屋に脅迫文が複数届き、自民党幹部は「フェイスブックはやめさせた方がいい」と話す。

 17日には愛知県内の障害者福祉イベントに出席。その際、首相周辺から、森友問題に触れないことやマスコミ取材に応じないとの条件が付き、現在はイベントなどへの参加について、そのたびに首相の了承を得ることにしているとされる。18日に予定していた佐賀県内のマラソン大会参加は見送った。

 「公の場での活動は当面自粛するだろう」。首相周辺はこう語り、事態の沈静化を期待している。 

3/24(土) 5:14配信
時事通信社
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