『技能実習生 除染作業に従事 ベトナム人男性が証言』
毎日新聞2018年3月14日 20時39分
https://mainichi.jp/articles/20180315/k00/00m/040/082000c

 技能実習生として来日したベトナム人の男性(24)が14日、東京都内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故後の除染作業に従事させられたと証言した。支援団体によると、実習生による除染が公になるのは初めて。実習制度は途上国への技術移転が目的とされ、法務省入国管理局などは同日、「(除染は)実習の趣旨にそぐわず認めていない」との見解を示した。

 男性は2015年9月に来日し、同年10月〜16年3月、福島県郡山市の除染に従事。実習先の岩手県内の建設会社との契約では「建設機械・解体・土木」の実習をするはずで、「来日前に除染の説明はなかった。(国が定める)被ばくに関する教育もなかった」としている。

 男性は16年9〜12月には避難指示区域だった福島県川俣町で国直轄の建物解体工事にも従事したが、日当と別に出る特別手当(当時6600円)は3分の1の2000円しか受け取れなかった。

 男性は「危険な仕事だと知っていたら来なかった。健康への影響が心配だ。契約した通りの仕事を日本で続けたい」と話している。

 実習先の建設会社代表は14日、毎日新聞の取材に「日本人と同じように除染の仕事に入れたが、ベトナムで面接時に除染をする可能性も話した。現場に入る前に他の労働者と一緒に教育も受けさせた。通訳はいなかったが分からなければ聞いてくれと伝えた」と話した。