2018年3月12日10時25分 朝日新聞
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学校法人・森友学園(大阪市)との国有地取引に関する決裁文書の書き換え疑惑で、財務省は12日午前から与党幹部への調査結果の報告を始めた。政府関係者によると、国会議員に開示した決裁文書とは別の決裁文書が複数存在することを認める見通しだ。

 安倍晋三首相は12日朝、首相官邸に入る際、記者団から「財務省が書き換えを認めるという報道についての受け止めをお願いします」と聞かれたが、無言だった。

 財務省は自民党の二階俊博幹事長らに説明後、参院予算委員会や衆院財務金融委員会の与野党理事、野党側にも順次説明する予定だ。

 複数の政権幹部によると、開示した決裁文書とは別の文書自体も開示すると見られる。財務省は今後、大阪地検の捜査に協力しながら、文書が複数存在することになった経緯などを中心に調査を続ける。

 同省前理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏が9日に国税庁長官を引責辞任。財務省は佐川氏に対する減給20%3カ月の懲戒処分を発表しているが、今後の調査を受けて、関係者のさらなる処分も検討する。

 書き換え疑惑を受け、野党は激しく反発しており、新年度予算案や期限切れを控えた法案の審議日程に影響が出ている。政権としては、佐川氏の辞任と調査結果の報告により、野党が出席する形で審議を進めたい考えだが、先行きは不透明だ。

 野党各党は麻生太郎財務相の責任問題に当面の焦点を絞りつつある。「責任は免れない」(希望の党の玉木雄一郎代表)などと国会で追及する方針。また、佐川氏や安倍首相の妻昭恵氏の証人喚問も求めており、激しい攻防となりそうだ。

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