https://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/180205/plt18020522220039-n1.html

 日本維新の会の足立康史氏は5日の衆院予算委員会で質問そっちのけで与野党批判を展開した。ただ、国会質問でたびたび物議を醸してきた足立氏だけに、今回も与野党が、足立氏の発言を問題視。足立氏は河村建夫予算委員長から口頭で注意を受けた。

 「先ほど玉木雄一郎・希望の党代表がですね、労働生産性の議論をされてました。この予算委員会、時間を使うのであれば、まずは自らの労働生産性をしっかり議論していただいて…。あ、今日はあれですね、玉木さんはさすがにスキャンダル追及は控えたようでありますが…」

 5日の衆院予算委員会で最後の質問者となった足立氏は、希望の党代表の玉木氏をあげつらった。

 玉木氏は、秘書による線香配布問題を抱える茂木敏充経済再生担当相に、暗に辞任を迫る発言をしていたが、産経新聞の取材で自らも政党支部が約60万円の慶弔費を支出していたことが判明した。午前中の質疑で、茂木氏の問題に触れることはなかった。足立氏は玉木氏をめぐるこうした状況をちゃかしたのだ。

 続けて足立氏は、この日の衆院予算委で森友、加計学園問題で安倍晋三首相を追及した無所属の会の江田憲司氏をやり玉に挙げた。ただ、批判対象は江田氏の質問の内容ではなく、江田氏の態度だった。

 「江田憲司さんね、江田憲司さん、偉そうですね。だいたい質問されるときは必ず自らが官邸で首相秘書官をされていた時代のことをおっしゃってますが、基本的には経産省に対する怨嫉、これが背景にあると思います」

 言いっぱなしの足立氏が続けて矛先を向けたのは、立憲民主党の山尾志桜里衆院議員だった。

 民進党政調会長だった平成28年当時、香典問題が発覚した山尾氏が、支出元を党総支部に変える政治資金収支報告書の訂正を行ったことを踏まえてこう主張した。

 「茂木氏の(線香配布問題の)場合は政党支部。山尾志桜里議員のことを思い出してください。後援会でやってたんですよ。それでみんなから追及されて、彼女どう言いましたか? 政党支部の間違いでしたと言ったんですよ。ひどい話ですよね」

 そして足立氏は立憲民主党自体を糾弾した。 

 「そういうことを言っている人間がいる立憲民主党が、政府を追及するというのはナンセンスだと思います」

 意外な指摘も飛び出した。

 「加計学園の問題の本丸は石破さんですよ」

 足立氏は、獣医学部新設の4条件(石破4条件)の策定過程で、政治団体「日本獣医師政治連盟」の北村直人委員長による当時の石破茂地方創生担当相への働きかけがあったことを指摘。「玉木さんはこれに乗っかって、散々、石破4条件を取り上げて、安倍首相の問題を追及した」とまたも玉木氏を引き合いに出しつつ、石破氏に“疑惑”の目を向けたのだった。

 「これ、ぐるなんじゃないですか? 石破茂元地方創生大臣はね、自民党の顔してますけど、野党とぐるかもしれません」

 言いたい放題の“足立節”に、NHKの国会中継の視聴率がアップしたかどうかは定かではないが、委員会終了後、さすがに河村委員長がたしなめた。

 「足立君。あの、自由闊達(かつたつ)に意見をおっしゃることは大いに結構でありますが、公党である他党を誹謗(ひぼう)中傷しかねない発言については十分注意していただきたいと思います」

 もっとも、これにしおらしくなる足立氏ではない。

 やんわりと注意した河村氏に対し足立氏は、はっきり返答した。

 「注意しますが、事実ですので、よろしくお願いします」