2018年1月24日 日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221748

危機をあおるだけの“ショー”だった。身を低く保ち、頭を抱える――これまで全国各地で行われてきた「ミサイル避難訓練」が初めて都内で実施されたが、案の定、中身はスカスカ。“有効な対策”からはほど遠いものだった。安倍政権がわざわざ街中で大袈裟な訓練を行ったのは、北朝鮮の危機をあおるためだったのは明らかだ。

 内閣官房や東京都などが共催するミサイル避難訓練は22日、都内の「文京シビックセンター」(文京区)や遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」などで実施された。

 ところが、訓練には“一般”の歩行者は参加せず、集まったのは、主催者側の“動員”で駆けつけた350人の市民だった。

 都の総務局総合防災部防災管理課によると、参加したのは、遊園地アトラクションの係員や近隣の町内会の住人、付近の企業の社員で「こちらから参加をお願いした」というのだ。

内容もヒドい。シビックセンター周辺での訓練では、「訓練」と記されたゼッケンをつけた参加者二十数人は皆、開始時間午前10時の15分ほど前に建物の出入り口に集合。一様に迷惑顔で、いかにも「渋々来ました」といった風情だった。

 雪がちらつく中、開始予定の午前10時を回ると「これは訓練です」と放送があり、「ウオーン」と不気味なサイレンが鳴り響く。同時に、「ミサイルが発射されたものとみられます」とアナウンスされ、所在なげにしていた参加者を背後から、メガホン片手に警察官が「建物の中に速やかに避難してください!」と大声であおりまくっていた。街行く“一般”の歩行者は皆、「関わりたくない」とばかりに足早に通り過ぎていった。

 その後、約150人の参加者がシビックセンター地下の広場に集結。警察官からの指示を受け、皆、頭を抱えながらその場にしゃがみ込んでいた。テレビでよく見る“例のポーズ”だが、海外メディアを含む大勢の報道陣に囲まれ、皆無言で訓練が終了するのを待ち続けていた。

(以降ソースにて)