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1月21日までに読売・朝日・産経の3紙が民進党と希望の党の統一会派結成頓挫について社説で触れています。

産経と朝日はそれぞれ1月19日に「統一会派断念 政党の体をなしていない」「民進と希望『数合わせ』から卒業を」、読売は1月21日に「統一会派頓挫 民進と希望の迷走劇に呆れる」というタイトルで社説で論じています。

論調の異なる3紙の社説で最も際立っているのが、民進党と希望の党による統一会派結成頓挫をいずれの紙も惜しむ気配すら見せていないという点。

読売は「迷走劇には呆れるほかない」産経も「党内情勢や世論を見誤った」、朝日でさえ「たもとを分かったはずの両党が、元のさやに戻る。そのこと自体に無理があった」と突き放しているのです。

民進党の大塚耕平代表と希望の党の玉木雄一郎代表が率いるそれぞれの執行部に対しての厳しい指摘も当然であり、読売は「大塚代表ら執行部の責任は免れまい」「玉木代表らも、安保政策で妥協してまで民進党との連携を進めたのは拙速だった」、産経も「双方のトップに指導力が欠けているのは明白だ」。ここでも朝日「通常国会を前に、混乱を引き起こした両党執行部の責任は重い」と主張の歩調が合っています。

メディアからも否定的な見方一色だったと言える今回の民進・希望の統一会派結成問題ですが、民進党では今度は立憲民主党との統一会派結成に向けた動きも顕在化しつつあるといいます。

これに対して朝日は踏み込んでいませんが読売は「疑問なのは、民進党などに、なお3党の再結集を志向する向きがあることである」「永田町の数合わせで勢力結集に走っても、国民の理解を得られまい」、産経も「参院側では希望、立民との統一会派を目指すという。筋の通らない組み合わせの模索に、まだエネルギーを費やすようだ」と不信感や呆れといったニュアンスとともに伝えており、民進党への厳しい見方が顕著なようです。

民進党に対しては朝日も今回の民進・希望の統一会派騒動に対し「それぞれが都合よく解釈できる玉虫色の合意」と指摘する共に、民進党それ自体についてこのように低評価であったことを窺わせています。

朝日「かつての民進党の姿が思い浮かぶ。寄り合い所帯を反映し、その場しのぎのあいまい対応を繰り返し、それが結局、先の衆院選での分裂につながったのではなかったか」

読売・産経だけでなく朝日からさえもこのような見方で語られてしまう「旧民進党一派」による騒動が如何に国民意識から乖離しているか、大塚・玉木両代表がきちんと総括することなしに支持率の向上は難しいと言えるでしょう。