>>392
 
● 「1人当たりのGDP」は国民の豊かさの指標の1つだが、それだけで豊かさを測ることはできない ●


【理由】
・社会保障が良い国なら長生きになり高齢者が増える。高齢者が増えれば1人当たりのGDPは下がる要因となる。日本は高齢者の多い国。
・貯金が多ければ豊かに暮らせるが、「1人当たりのGDP」に貯金は直接関係しない。日本は、お金持ちの高齢者が多い国。
・アメリカは医療費が高くて低所得者は十分な医療を受けられない。平均寿命は日本より5年短いので社会保障費を抑えられ、結果として1人当たりのGDPは高くなる。これは豊かなのか?

【GDPの国際比較の注意点】
日本が世界標準のGDP計算方法に変えたのは2016年12月。したがって、それ以前のGDPデータで国際比較しても正確ではない。
国際比較ではドル換算の値が使われるが、為替レートはマネーゲームで年毎に違いが大きいのが実情。5年平均の為替レートで比較すべき。

【なぜ、韓国人は1人当たりのGDPの話題が好きか】
労働年齢人口の比率が高い時期は1人当たりのGDPが高くなる。働いていない子供や老人が少ないからだ。
日本は1995年がその比率のピークだった。中国は2011年、韓国は2016年がピークだった。つまり、今の韓国は1人当たりのGDPの値が高くなりやすい時期なのである。
このピークを過ぎた中国も韓国も高齢化社会が始まったので1人当たりのGDPは頭打ちになっていく。