https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171221-00000011-sasahi-sci

 インターネットを使って、誰もが簡単に情報をやりとりできるようになったけれど、偽ニュースも増えた。偽ニュースを信じて、広めてしまう可能性は、誰にでもある。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』のキャラクター、コビンが、ネットで流されるウソを見抜く方法を、ジャーナリストとメディア・アクティビストの津田大介先生に聞いてみた。

■ネットの検索機能でたしかめてみよう

コビン:偽ニュースを拡散しないためには、どうすればいいの?

津田:広まりやすい偽ニュースは、画像がついていることが多い。画像があると、信じてしまいがちだよね。まず、出典を確認しよう。出所が書いてない場合は疑うこと。

コビン:ライオンの偽ニュースは、その人の経験のように書いてあったよ。

津田:そうだね。その場に居合わせた人が発信したものは「一次情報」といって、伝聞よりも信頼できる。でも、それ自体がウソかもしれない。そこで試してほしいのが、グーグルの「類似画像検索」だ。もし、元画像が見つかったら、ウソだとわかる。あのライオンの写真は、南アフリカで撮影されたものだったんだ。

コビン:へぇー。

津田:ツイッターなどで見かけた記事の内容をたしかめたいときは、ツイッターの「検索欄」に、その記事のURL(ウェブページのアドレス)を入れて検索してみよう。いろんな人の反応が出てくる。ウソの場合は、誰かがウソと指摘していることが多い。

 この二つの方法は、偽ニュースを見抜くうえで有効だよ。ウソだとわかったら、「これはウソだよ」とまわりの人に教えてあげられると、なおいいね。

■三つの情報源を持とう

コビン:新聞やテレビより、ネットのニュースのほうが信頼できると言う人がいるけど、本当?

津田:マスメディアが間違える確率は、ネットの情報よりはるかに低いよ。ただ、SNSでは、親しい人から「いいね」「ひどいね」などの感情を混ぜてニュースが送られることが多いので、共感を生みやすい。それを「信頼できる」と言うのは危険だと思うな。狭い世界でやりとりしているうちに、「虚構の真実」を受け入れてしまいがちだからだよ。

 事実や科学を重視しない人とは、議論ができない。そういう人が増えると社会が壊れてしまう。ネットの影響が大きくなりすぎて、世界中が偽ニュースに振り回されている今の状況は、人類の大問題だ。

コビン:ぼくも信じてしまうかも。どうしたらいいのかな。

津田:誰が流した情報かをたしかめよう。マスメディアや公の機関が情報源なら、信頼性は高い。複数の情報源に当たることができたら、なおいいね。「知人から聞いた」など、また聞きの情報はあやしいよ。不必要に感情をあおる情報も、要注意。意図が隠されている可能性が高い。距離をおこう。

コビン:普段からできることはある?

津田:本屋さんに行くと視野が広がるよ。目当ての本だけでなく、目に留まった本もめくってみよう。雑誌を買ったら、興味のない記事も読んでみよう。そういう経験は、ネットではなかなかできないものだ。

 調べものをするときは、「ネット」と「本」と「人」の三つの情報源を常に確保しよう。世の中にはネットにも本にも書かれていないことがたくさんある。できるだけ現場に行き、人から直接、話を聞いてみよう。

【グーグルの「類似画像検索」の方法】

(1)パソコンで検索エンジン「グーグル」の画面を開き、「画像」をクリック。
(2)カメラのマーク(画像で検索)をクリック。
(3)画像をアップロードする(または画像のURLを貼り付ける)。
(4)類似の画像が表示される。

【記事の反応を調べる方法】
ツイッターなどで関心のある記事を発見したら、記事のURLをコピーする。

(1)スマホの場合、長押しするとコピーボタンが表示される
(2)コピーした記事のURLをツイッターの「検索欄」に貼り付ける。 ※やり方は詳しい人に聞こう。
(3)ツイッターでつぶやかれた記事の反応が表示される。

(略)