エルサレム問題 国連安保理 無効決議 米の拒否権で否決
12月19日 2時44分
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アメリカのトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの首都と認めたことについて、国連の安全保障理事会では、
エルサレムの地位の変更は無効だとするエジプトが提出した決議案が採決にかけられましたが、アメリカが拒否権を行使して決議案は否決されました。
アメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めると宣言し、パレスチナやイスラム諸国で反発が広がる中、
安保理では18日、エルサレムの地位の変更は無効で撤回されるべきだとする、エジプトが提出した決議案の採決が行われました。

採決に先立ちエジプトのアブラタ国連大使は、「エルサレムの最終的地位はパレスチナとイスラエルの平和的な交渉で決められなければならない。
変更は違法とみなされ法的な影響力を持たない」と述べ、決議案への支持を呼びかけました。

これに対してアメリカのヘイリー国連大使は、トランプ大統領の宣言はエルサレムの最終的な地位をあらかじめ決めるものではないと強調したうえで、
「アメリカには大使館をどこに置くのかを決める主権がある。誰の指示も受けない」と反論しました。

採決の結果、15の理事国のうちイギリスやフランス、日本を含む14か国が賛成したものの、アメリカが常任理事国に認められた拒否権を行使し、決議案は否決されました。

アメリカは安保理で、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐり国際社会の結束を呼びかけてきましたが、
エルサレムの問題をめぐっては孤立を深めていて、今後イスラム諸国を中心にアメリカへの批判がさらに高まることになりそうです。

■ パレスチナ国連大使 米非難 国際社会の支持呼びかける

国連の安全保障理事会で決議案が否決されたことを受けてパレスチナのマンスール国連大使は、アメリカを非難するとともに、国連総会の緊急会合を開くよう要請する考えを明らかにしました。

マンスール大使は「皆さんが引き続きしっかりと正しい側に立つことを求める」と述べ、国際社会の支持を呼びかけました。

一方、イスラエルのダノン国連大使は「皆さんは何百回もエルサレムにおけるイスラエルの地位を非難してきたが決して成功しない」と述べ、
決議案に拒否権を行使したアメリカを除くメンバー国を批判しました。